線形空間を知るためには、線形空間の元がどんなものか調べる必要があります。線形空間には、必ず0がありますが、他にも存在が保証される特別な元の組があります。それが基底です。基底のイメージがわく例を見て、何が嬉しいか確認したのち、定義や例を紹介します。
線形空間の記事は以下をどうぞ。

Why 基底 ?
例えば、線形空間
と一意に書く事が出来ます。
と一意に書く事ができます。
と表示する事が出来ます。
しかし、
一方、
と言った具合です。上の表し方は一通りしかないことに注意しましょう。ここで、
などと、色々な表し方が可能になります。大量に元を取って来てしまうと、どんな元でも表せる一方で、色々な表し方が生まれてしまいます。
元の組で、任意の元を一通りの方法で表す事が出来る時、元の組を基底と呼びます。
そして、ひとたび線形空間である事が分かれば、基底が存在するという事です。
線形従属と線形独立
基底の話をするには、線形従属と線形独立の定義をする必要があります。
を満たす
線形従属でない時、
なので、2
を考えてみると、これはx軸全体です。

初めの章で登場した例
だからです。一方で、
などが成り立つという事です。
その逆で、線形独立性は
任意の組
が成り立つ事、と言い換える事が出来ます。
基底の定義
となります。
線形独立な元が張る線形空間が、元の線形空間
基底は1種類ではありません。
線形空間の基底が有限個の時、有限次元線形空間と言い、有限個でない時無限次元線形空間と言います。この意味で、カーネルの空間は無限次元です。

理解を深める為に、以下を考えてみてください
-
での線形独立と線形従属の意味を考えてください。 の基底を2種類考えてください。ただし、定数倍は同じ基底と思います。 において、 線形独立だが、基底にならない元の組をの例を挙げてください。その時に、基底にするために必要な元も与えて、基底を完成させてください。 が一次独立であることと、任意のiに対して、 と が一次独立であることは同値であることを示してください。
基底の例
[多項式全体の線形空間]
ただし、
この線形空間の基底として、
[関数からなる線形空間]
は基底になります。(フーリエ変換を思い出してください。)
関数全体からなる線形空間は無限次元線形空間の例でよく出てきます。滑らかな関数は、テイラー展開できるわけですが、一般には無限個の項が必要です。多項式の例と合わせて考えると、無限次元になることは納得できるでしょう。
[行列からなる線形空間]
n次正方行列 全体
ただし、
なので、正方行列全体の次元は
[双対空間]
を
ただし、
数学で大事なのは双対空間とか関数の空間ですが、機械学習系だと
まとめ
- 基底の嬉しさを紹介した
- 線形空間における線形従属と線形独立の定義をした。
- 基底の定義をした。
- 基底の例を挙げた。